
伊勢の神宮に御鎮座の天照大御神の御分霊をお祀りするお社です。 天照大御神は、当社の本宮・多度神社の親神様にあたり、お社の場所も摂末杜の中で一番御本殿に近い、於葺門をくぐった左手に位置し、ご本殿に向かって、あたかも我が子を見守るように鎮座しています。

天照大御神には八柱の御子神がいらっしゃいます。そのうちの天津彦根命は多度大社本宮の御祭神、市杵島姫命は摂社の美御前社の御祭神としてそれぞれ祀られています。この二柱の他、六柱の神様は神楽殿の横から本宮に向かう参道の中程左手に御兄弟神として御祀りしております。この皇子社は、約四百年前の書物には「所摂神社」の二番目に記されていますので、当時沢山あった多度大社付属神杜の中では相当高い扱いを受けていたと想像できます。

多度大社はよく雨の神様として、雨乞いの御祈祷がよく行われておりますが、境内の社の中にも雨の神様が祀られています。末社雨宮八幡社は境内を覗き見るかのごとく、お鎮まりになり、名前の通り水の神様である天之水分神・国之水分神、そして応神天皇をお祀りしています。近くには手水舎があり、水の神様をさらに印象付けています。

多度大社を初めて訪れる人々が、境内で必ず見てゆく場所があるとすれば、それは上げ馬神事を行う上げ坂でしょう。その坂の険しさ・絶壁の高さにたいそう驚かれていますが、皆さんは坂上の脇にひっそりと小さなお社があることをご存じでしたか?このお社は、かって傍らに大きな藤があったことから、「藤波社」として親しまれ、今にその社名が伝わっていると云われています。 御祭神は、建速須佐之男命・大穴牟遅命(大国主命)・少彦名命の三柱をお祀りしています。

多度大社の正面階段の下にひっそりと鎮ります末社「鉾立杜」は、境内に向かって、即ち北向きに建つ珍しい御社です。祭神は「天久之比命(あめのくしひのみこと)」をお祀りしています。この御社が境内の入口にあたる場所にあり、しかも神社内側に向かっているのは、御社地の南側(人と接する側)を守護する願いが込められているのかも知れません。





